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“課長になれない人 “を悩ませる賃金格差!?

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 気になるのは、比良と課長の賃金格差だ。
 連合の調査によると、2000年ごろから部長の賃金が上がり始め、2004年ごろから課長の賃金が上昇。非管理職との格差は2008年までに拡大し、その後横ばいになっている。報告書はこうした実態を踏まえ、「近年、新自由主義の潮流の中で、上場企業の役員報酬が急速に上昇し始め、それに引きずられるように、まず部長クラス、次いで課長クラスの報酬が上昇した」と結論づけた。
 さらに、非執行役員の平均賃金は月額27.7万円(40.7歳)、課長(48.7歳)、部長(52.8歳)577万円であった。(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」、2021年) [編集履歴 2022年8月26日23時45分 記事初出時、平均賃金の数値に誤りがあったため、変更しました。
 そもそも、日本の勤労者の賃金は20年以上上がっておらず、中間層の減少が深刻です。
 管理職になれるかどうかは、出世や肩書き、社会的地位といった「力をつけること」ではなく、「生活できるかどうか」の問題になってしまった。いくら課長や部長が心身ともに過酷な労働を強いられていても、「背に腹は代えられない」ということなのだろう。
年寄りは嫌われる? ありのままの現実
 いずれにせよ、運良く課長に昇格できたとしても、トップに近いところまで行ける人はごく一部です。どうせどこかに消えてしまうのなら、体力があるうちに次のことに移ったほうがよっぽどいいという考え方もあるでしょう。
 この話をすると、「じゃあ、転職しろ!」と言われがちです。でも、「転職すれば万事OK!」というわけではありません。
 転職すれば給料が下がる可能性もあるし、会社を変えても50歳を過ぎれば “使えない人 “として扱われる可能性もある。
 会社の組織構造がピラミッド型である限り、いくら会社を変えても「椅子」の奪い合いになるし、いくら平均寿命が延びても、ビジネスの世界では年寄りは嫌われ者である。これがありのままの現実なのだ。
 しかも、「できる人」が課長や部長に昇進するかというと、必ずしもそうではない。私は、このようなことを何度も見てきた。
 どんなに客観的な評価制度があっても、人が人を評価するときには、必ず個人的な感情が入り込む。使いやすい」人ほど高く評価され、自分を超えない人を「上司」が引き揚げることも珍しくない。人事管理は常に理不尽で、不合理で、偶然の産物である。